生体信号を用いた視線入力インタフェース

(EOG、脳波)

私たちは、生体信号を用いた視線入力インタフェース(眼球運動を使って各種装置を動かす技術)の研究を行っています。

研究概要

 視線入力インタフェースは,ALSや筋ジストロフィーなどによる四肢麻痺の患者さんのための意思伝達装置です。本インタフェースでは、パソコン画面内のカーソルを視線で動かして画面上のメニューを選択することができます。眼球運動測定にはEOG(Electro-Oculogram)法を用いています。

 EOG研究をさらに発展させた眼球運動時の脳波に関する研究では、衝動性眼球運動が視覚刺激や聴覚刺激へ向けて行われる際の脳波を測定しました。研究の結果、眼球運動開始直前に脳電位が後頭葉で急激に変動することを見い出しました。この現象は刺激の属性に依存しないことから、posterior parietal cortexにおける空間認識機構と関連があると思われ、注意や空間定位のメカニズム解明の糸口になると思われます。

 なお上記のEOG研究によって平成10年にテレコム論文賞を受賞しました。また平成13年度には理化学研究所の産学連携事業に採択され、株式会社シースターコーポレーションとともにEOGスイッチ(眼球運動をスイッチとして用いる装置)を実用化し、国内の多数の患者さんに利用されています。

EOGスイッチの臨床実験の様子.四肢麻痺の患者さんが目を動かしてブザーを鳴らしています.

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