東京工業大学 Tokyo Institute of Technology
工学院機械系 Graduate School of Engineering, Depatrment of Mechanical Engineering
ライフエンジニアリングコース Human Centered Science and Biomedical Engineering Graduate Major

八木研究室 Yagi Laboratory

退職された清水先生の研究

水中で振動する平面により誘起される流れの研究

例えば微小流路中の物質の移動や輸送など、微小空間において流体に流れを生み出したい場合、従来のプロペラやコンプレッサを使用できないため、それに代わる新たな方法が必要とされる。その一つに、物体の振動により周囲に流れを誘起する方法が挙げられる。本研究では、平板を法線方向に振動させる際、低周波数、大振幅領域において誘起される流れを明らかにすることを目的とする。

図1に実験装置の模式図および写真を示す。振動発生装置に取り付けられた円盤状の振動板は、その下側表面が水槽内の水面に接するように設置されている。この装置において、振動発生装置から周波数50 (Hz)の振動を負荷した際、内部流体の流れを可視化した様子を動画(約4.5MB mpeg)で示す。なお、振幅は1~5 (mm)まで、1 (mm)ごとに変化させている。振幅が小さい場合は、振動板の真下に下向きの一様な流れが生じるが、振幅が大きくなるに従い、徐々に乱流が生じ、振幅が5 (mm)になると、水槽内全体に広がる上向きの流れが生じた。このように下向きから上向きに変化する振幅は周波数により異なり、周波数が大きいほど、小さい振幅で上向き流れが生じることがわかった。

図1.実験装置模式図

現在は、このような流れの変化が生じるメカニズムについて、さらなる検討を加えているところである。

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